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《ヘミングウェイ没後50年記念論集》

一九六一年七月二日 ―― その衝撃的な猟銃自殺から五〇年が過ぎた今、アメリカ文学の革新者アーネスト・へミングウェイの作品/主題を時系列に辿りながら、時代を超えて愛され続ける作家の地平を読み解く!

『アーネスト・ヘミングウェイ - 21世紀から読む作家の地平』

日本ヘミングクェイ協会 編

《編集委員》大森昭生・小笠原亜衣・高野泰志・塚田幸光・長谷川裕一

A5判上製・400ページ
定価4,200円(本体4,000円)
ISBN978-4-653-04111-5
臨川書店

【目次】  
●第1章 1920年代
ヘミングウェイと日本を結ぶ画家―久米民十郎を中心に(今村)
機械仕掛けのモダニズム―「神のしぐさ」とニューヨーク・ダダを起点に(小笠原)
男らしさの神話と実話―ニックのキャンプの物語(瀬名波)
同性愛検閲および強制的異性愛を避ける欲望―『日はまた昇る』の草稿を中心に(中村)
暴露する手―『武器よさらば』における逃避と隠蔽(勝井)
フレデリック・ヘンリーの学びの欲望(平井)
ニックのイニシエーションは成功したのか―文体論とヘミングウェイ研究の接点を求めて(倉林)
ヘミングウェイの作品が語るオジブウェイ・インディアンたちの暮らし―アメリカ文化を垣間見ながら(千葉)

●第2章 1930~1940年代
ヘミングウェイと禁酒法(本荘)
ヘミングウェイのスタイル宣言―文学実践としての『アフリカの緑の丘』(辻)
ペンと『ケン』(Ken)の間で―作家の黄昏と、黄昏の政治と(長谷川)
革命家の祈り―『誰がために鐘は鳴る』の宗教観と政治信条(高野)
消えゆく国際友人のペルソナ―中国国民党機密文書に認められるヘミングウェイの痕跡(柳沢)
「戦争作家」の「真実」―出版されなかった第二次世界大戦(大森)

●第3章 1950年代以降
マノリンは22歳―欲望のテキスト『老人と海』(前田)
物語『移動祝祭日』に読むヘミングウェイ―「フィッツジェラルドもの」の場合(上西)
最期のラブレター―ショーン版『移動祝祭日』が開示したハドリーへのメッセージ(フェアバンクス)
ライティング・ブラインドネス―ヘミングウェイと「老い」の詩学(塚田)
森からサファリへ―「アフリカン・ブック」からみるヘミングウェイの「ポスト植民地性」(田村)
ヘミングウェイのアフリカを読み解く―『キリマンジャロの麓で』と晩年の創作事情(島村)

●資料―日本におけるヘミングウェイ研究書誌1999~2010(千葉)

【執筆者】
瀬名波栄潤(せなは・えいじゅん) 北海道大学准教授
本荘忠大(ほんじょう・ただひろ) 旭川工業高等専門学校准教授
大森昭生(おおもり・あきお) 共愛学園前橋国際大学教授
田村恵理(たむら・えり) 千葉工業大学非常勤講師
今村楯夫(いまむら・たてお) 東京女子大学教授。日本ヘミングウェイ協会前会長
上西哲雄(うえにし・てつお) 東京工業大学教授
フェアバンクス香織(ふぇあばんくす・かおり) 文京学院大学・文京学院短期大学助教
島村法夫(しまむら・のりお) 中央大学教授。日本ヘミングウェイ協会会長
中村亨(なかむら・とおる) 中央大学教授
辻秀雄(つじ・ひでお) 首都大学東京准教授
小笠原亜衣(おがさわら・あい) 玉川大学准教授
倉林秀男(くらばやし・ひでお) 杏林大学准教授
長谷川裕一(はせがわ・ひろかず) 関東学院大学准教授
柳沢秀郎(やなぎさわ・ひでお) 名城大学嘱託講師
塚田幸光(つかだ・ゆきひろ) 関西学院大学准教授
勝井慧(かつい・けい) 関西学院大学大学院博士後期課程
平井智子(ひらい・さとこ) 広島国際大学准教授
前田一平(まえだ・かずひら) 鳴門教育大学教授
高野泰志(たかの・やすし) 九州大学准教授
千葉義也(ちば・よしや) 鹿児島大学名誉教授
 (※所属等は2012年1月現在の情報です)

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